ネパールの首都カトマンズ。ヒマラヤ山脈が見えるその街で、日本人カメラマンの深町誠は古めかしいカメラを見つける。それはイギリス人登山家ジョージ・マロリーが、1942年6月8日にエベレスト登頂に初めて成功したか否かが、判斷できるかもしれないカメラだった。カメラについて調べを進める深町は、羽生丈二というアルピニストの存在にたどり著く。他人に配慮しない登山をするために孤高の人物となった彼の壯絶にして崇高な人生に觸れるうちに、深町の胸にある思いが生まれる。
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